筋電センサについて
乾式は皮膚に接触する電極が金や銀などの電気的に安定している金属となっており、湿式は導電性のゲルを含んだシール(=ディスポ電極)を用いるタイプとなっております。
乾式は皮膚を軽くウェットティッシュなどで拭いてから両面テープやバンドで固定するだけという脱着の簡便さが特徴で、湿式は皮膚の状態(汚れ、乾燥など)や固定状態の影響を受けにくいことが特徴です。
筋電センサは双極誘導法を用いて小さな筋電の信号を増幅しているため、2つの入力の他に信号の基準となる電位(= リファレンス)を接続する必要があります。
リファレンスは計測器毎に1つ必要で、接続するためのケーブルは乾式タイプのリファレンスバンドとディスポ電極を使う湿式タイプのリファレンスケーブルになります。
それとは別にリファレンスバンドと同じ機能をセンサの中に内蔵したものが乾式三極の筋電センサです。こちらはリファレンスバンドやリファレンスケーブル無しで筋電の計測が可能となります。
筋電センサの入力部分を特殊な構造にすることで、測定対象の筋肉の周辺の筋肉からの筋電の混入を低減する特性を持たせた筋電センサです。
顔や腕のように筋肉の集中している部分の筋電を個別に計測して解析や電動義手などの制御に使いたい場合に有用です。
こちらのセンサは見た目が三極タイプと同じですが、全て筋電入力用の電極の為別途リファレンスケーブルの接続が必要となります。
筋電センサや心電センサなど電極を人体に貼り付けるタイプのセンサを使う場合には、安全のためにセンサの電源を商用電源(AC100V)から絶縁する必要があります。
最も簡単な方法は乾電池を用いて±3Vなどの電源を作ることですが、電池残量により電圧が変動しますので電圧の安定化回路も併用することをお勧めします。
準備が難しい場合には、弊社の計測器をご利用頂ければ安全で安定した計測が可能となっておりますのでご検討下さい。
計測器について
無線タイプはケーブルによる拘束が無い為スポーツなど移動を伴う動作の解析に適しています。一方卓上タイプは細かい筋活動の違いまでデータ化出来るので高度な解析が可能となります。
運動や歩行の解析には無線で乾式タイプのセンサを使い、作業の負担や食感、使用感の解析などには卓上計測器と湿式センサを組み合わせを使われる方が多いです。
センサを接続すると無線でセンサのデータを親機に向かって送るタイプの計測器のことです。データは受信機側で保存されます。
センサを接続するとセンサのデータを本体内部に記録し続けるタイプの計測器のことです。
センサの出力である電圧信号をデータ化してデジタルで送るのではなく、電圧信号(アナログ)のまま出力する機能のことです。 手持ちの計測器でまとめて計測したい場合や制御回路に繋げたい場合に便利です。
分解能とは電圧信号をデジタル値に変換する際の細かさでこの値が大きいほど小さな電圧の違いまで数値化出来ることになります。
サンプリング周波数は、1秒間に何回の計測(データ変換)を行うかを示す数値で、1kHzの場合には1秒間に千回の計測およびデジタル値への変換を行うことを示します。
同じ実験に複数の計測器を用いる場合にそれぞれの計測データの時系列を揃える為に必要となる機能です。
具体的には共通する電圧信号を全ての計測器に入力することでその信号の入力された時間で実験の開始時刻をマーキングするといった使い方になります。
電圧信号を計測する計測器以外にもビデオカメラにはフラッシュ光を用いたり、ICレコーダーなどの音声計測器にはブザー音を入れる方法でデータの同期が可能となります。